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慰謝料について

皆さんここが1番気になるポイントだと思います。

慰謝料を取りたいので、探偵社に証拠をお願いしたいですと言われて来られる方が9割です。

 

不貞行為の慰謝料とは??

民法上の損害賠償は債務不履行に基づく損害賠償(415条以下)と不法行為に基づく損害賠償(709条以下)の大きく2つに分けられます。不貞行為の慰謝料は、不法行為(不貞行為)によって、被害者が受けた苦痛や悲しみなどの精神的な損害に対して、加害者(不貞行為をした配偶者とその相手)から賠償として支払われる金銭のことです。

 

不貞行為の慰謝料の相場は?

面談時によく質問される内容の1つです。慰謝料の金額は、法律によって明確な基準が定められているわけではありません。個々の案件によって金額もバラバラである為、一概にいくらです。という事が難しいです。裁判例でも50万円位から500万円位とかなり幅があります。
慰謝料の算定においては、夫婦が離婚に至ったか否か、妊娠の有無、不倫の期間や程度などが考慮され、多くのケースで離婚に至ったか否かが慰謝料算定の基準に大きく影響している様です。

参考までに私の経験上(私の相談者様や依頼者様のケース)では、夫婦が離婚に至ってしまった場合では300万円前後、離婚に至らなかった場合では100万円前後が多かったです。

 

 

慰謝料はいつまでに請求しなければいけないか?
慰謝料の請求は不法行為に基づく損害賠償請求ですから、その行使期間内に請求しなければなりません。

不法行為による損害賠償請求権は、「被害者または被害者の法定代理人が損害と加害者を知った時から3年間行使しないときには消滅する(724条前段)」また、不法行為の時から20年を経過したときにも消滅します。

消滅してしまわない内に請求しましょう。

 

 

慰謝料請求の方法は?

1・直接会って話し合う

不貞行為をした相手方と直接話し合える場がもてる場合は、直接話し合って和解するのも方法の1つです。ただし、必ず示談書(和解契約書)を作成し、両者署名捺印をして証拠として保存して下さい。

費用や時間をかけず交渉出来ますが、互いに感情的になったりして話し合いがまとまらないことがあるのも事実です。また、双方の知識、対人折衝能力も結果に大きく影響します。

 

 

2.内容証明郵便を送る
この方法も比較的、費用や時間をかけずに行う事ができます。
また内容証明郵便は、届いた相手にかなりの心理的プレシャーをあたえます。しかし、同時に、すべてが証拠としても残ってしまいます。

内容証明の書き方によっては、強迫、恐喝、名誉毀損になってしまうこともありますので法律の専門家に依頼されるのが望ましいと思います。

 

3.調停
裁判所に慰謝料請求調停の申立てをすることが出来ます。
手続きも比較的簡単ですので、自分ですることも可能だと思います。
自分で行えば、費用も印紙代、切手代など、かかっても数千円程度ですが、1・2方法よりもかなり時間がかかります。

ただ、裁判所から両者に通知が届き、停委員が両者の間に入り調停は裁判所で話し合いが行われますので当事者のみで話し合うよりもプレッシャーはかなり大きいと思います。しかし、あくまで当事者間の話し合いで自主的、任意的解決をはかろうとするものですので調停には裁判のような強制力はありません。

 

4.訴訟(裁判)をする

訴訟においては原告側(訴えた側)に立証責任(不貞行為を証明する責任)がありますので、他の方法より更に証拠が重要になります。ただ、証拠さえあれば一番確実な方法といえるでしょう。
しかし、訴訟となると自分でするのは難しく弁護士の先生に依頼しなければなりません。ですから、ある程度の費用が必要になり、また時間もかかってしまうというデメリットもあります。

 

どの方法にも言えるのは、不貞の証拠が有るか無いかで結果を大きく左右するという事です。
そして、慰謝料を請求する相手方の経済力を考慮することも忘れてはいけません。優秀な弁護士先生に依頼して、裁判には勝ったものの、相手方に支払う能力が無くて支払ってもらえなかったという結果になってしまっては意味がありません。

 

私の意見としては、何れの方法をとるにせよ法律家の先生に法律相談を受けることをお勧めします。