浮気(不貞行為)の証拠について
2020年03月15日
不貞行為とは?
一般的には浮気と表現されるこ事も多い様です(浮気は実際にはもっと広い意味)が、法律(民法)の用語では、不貞行為と言い「配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて配偶者以外の異性と性的関係をもつこと」を言います。
ですから、親しいだけで性的関係がない場合は不貞行為にはならないのです。
不貞行為の証拠とは?
簡単に言うと、性的関係があった事を証明できる証拠のことです。
ラブホテルへの出入りの写真や映像などは不貞行為の証拠の代表例です。
また、探偵社に依頼してとった証拠ではなくても、携帯メールやLineの内容、ラブホテルのレシートなども十分に証拠になり得る可能性があります。
ラブホテルの場合は、常識的に考えて、性的行為をする場所ですので、そこに滞在したことが証明できれば、比較的容易に証拠として認められます。
しかし、シティホテルや住宅(マンション)、クルマの中で行為を行っている等の場合等は、ラブホテルの様に、そこに滞在していた証拠だけでは少し弱い場合があります。
そういったときは、デートでキスをしたり手を繋いでいる場面を撮影したり、携帯メールやLineの内容、使用済の避妊具等の証拠をプラスして、言い逃れをできなくします。
不貞行為の証拠はなぜ必要なのか?
浮気夫(妻)やその不貞行為相手が、不貞行為の事実を認めず、離婚や慰謝料の支払いに応じなかったときに、強制的にそれらを実現する手段は、裁判(訴訟)しかありません。
そして、裁判(訴訟)においては、原告側(訴える側)に証明責任があり、不貞行為の事実を証明しなければいけません。ちなみに、被告(訴えられた側)は、不貞行為がなかったことを証明する必要はありません。
簡単に言うと、証拠があれば裁判(訴訟)をすることができるが、証拠がなければ裁判(訴訟)ができないということです。
つまり、証拠がないと、浮気夫(妻)やその不貞行為相手方が、不貞行為の事実を認めず、離婚や慰謝料の支払いに応じなかったとしても、裁判(訴訟)をすることすらできず泣き寝入り、ということになり、非常に悔しい思いをすることになり兼ねないのです。
また、証拠がないまま問い詰めて、認めるケースは稀で、ほとんどが認めません。
反対に証拠がある場合は、ほとんどが話し合いで解決しています。
なぜなら、完璧な証拠を押さえられていては裁判をしても、相手方(浮気をした配偶者やその浮気相手)に勝ち目はなく、やつらも負ける喧嘩(裁判)したくないからです。
だから、話し合い(示談や離婚協議)によって解決できる可能性が高くなるのです。
以上の様な理由から、証拠は絶対に必要なのです。
不貞行為を立証するには複数回の証拠が必要?
1回でも不貞行為には変わりありません。
しかし「1回の不貞行為で離婚が認められた裁判例は無い」という点と「1回の証拠では言い逃れを許しやすい」という点に注意しなければなりません。
不貞行為を理由に、裁判上で離婚を求めるときは、「継続的に不貞行為があった事」を証明しなければなりません。
その為には、ラブホテルへの滞在の証拠でも、一般的には複数回(3回以上が理想)の証拠を撮るの良いと言われています。
また、回数を重ねることによって言い逃れを許し難くすることができます。
実際に裁判で「急に体調が悪くなり仕方なくラブホテルに入っただけ。」と、言い逃れをしようとした調査対象者もいましたが、3回の証拠があった為、その言い訳は通用しませんでした。
尚、不貞行為が1回だけだった場合、慰謝料は非常に安く(数十万円程度)です。
こういった理由でも複数回の証拠を押さえることが好ましいのです。
そして、必ずしも我々探偵が撮ったものでなければならないということではありません。
また、探偵社に頼んで撮ってもらった証拠がラブホテルの出入りが1回だけだったとしても、ご自身で集められた、携帯メールやLineの内容、ラブホテルのレシートなどをプラスすれば、複数回ラブホテルに行っていた(継続的に不貞行為を行っていた)ことを証明することが可能です。
こんなケースは不貞行為になるのか?
1.夫が浮気したので私も浮気した
これは、夫、妻のどちらの側からみても不貞行為になります。
不貞行為を原因とする離婚の場合には、不貞行為をした側が有責配偶者として慰謝料を支払わなければなりません。この場合は、双方の有責性が比較考慮されて主たる有責配偶者を決めることになる様です。
2.1回だけの性的関係
1回だけでも立派な不貞行為です。
ちなみに、1回の不貞行為で離婚を認めた裁判例は無く、裁判で離婚の原因として認められる為には、ある程度継続的に不貞行為が行われていたことを証明する必要があります。
3.婚姻生活が破綻した後の性的関係
夫婦関係がすでに破綻した後の性的関係は、不貞行為にはならない様です。といっても、夫婦ともに離婚の意思があり、客観的に見て修復が不可能な状態にまでなっていなければ破綻とは言えないようです。
4.別居後の性的関係
別居していても、婚姻生活が破綻していない限り不貞行為になります。ただ、何年も別居していて離婚の話し合いが具体的に進んでいる状態だと、客観的にみて婚姻生活が破綻していると判断されることもある様です。
5・性関係を伴わない関係
肉体関係を伴わないプラトニックな関係やデートするだけの関係は不貞行為とはみなされません。ただし、肉体関係がなくてもそれが原因で夫婦仲が破綻すれば「婚姻を継続し難い重大な事由」になる事もある様です。
6.生活苦やローン返済のための不貞行為
いくら生きていく為とはいえ、不貞行為には違いありません。
裁判例では、生活が苦しいからといって不貞行為をしていいとは言えないとして夫からの離婚請求を認めたようです。
7.同性同士の性的関係
異性ではないので、不貞行為にはなりませんが、間違いなく「婚姻を継続し難い重大な事由」になるでしょう。
8.強姦の場合
強姦された側は、自由な意思によるものではありませんので、不貞行為にはなりません。